
「納品して終わり」じゃない――。
WordPressサイトを納品した後、「これってどこから編集するんでしたっけ?」「画像、変えたはずなのに反映されません」と連絡が来るたび、ちょっとげんなりしませんか?
よくある原因は、“クライアントの更新マニュアル”の内容が足りていないこと。
この記事では、Web制作者がクライアントに渡すべき「迷わないWordPress更新マニュアル」の構成項目を、現場視点+具体例つきで11個解説します。
納品後のサポート工数を減らしたい方、“またお願いしたい”と言われる仕事をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
導入文とこのマニュアルの目的
なぜ必要?を書くと読まれる
クライアントは「難しいことが書いてある」と感じた時点で読むのをやめます。
まず最初にこう書きましょう。
このマニュアルは、〇〇株式会社さまがご自身で「お知らせ」や「商品紹介」などのページを更新できるようにまとめたものです。専門知識がなくても操作できるよう、画像つきで説明しています。
・対象範囲とこのマニュアルでできないことを冒頭で明記
・WordでもPDFでもOK。リンク式の目次があると最高
WordPress管理画面へのログイン方法
書くべき要素
- 管理画面URL(例:https://〇〇.com/wp-admin)
- ユーザー名/パスワード(記載場所を明記。セキュリティ上、別紙でも可)
- ログイン後の画面説明(例:「左側メニューの『投稿』から…」)
- パスワードを忘れた時の対処方法(スクショ付き)
・クライアントによってはスマホからの操作もある。可能ならスマホ画面も紹介
・管理者権限ではなく、編集者権限でのログイン方法も分けて記述すると安全
投稿の新規作成と編集方法(ブロックエディター対応)
書くべき流れ
- 「投稿」→「新規追加」
- タイトル入力
- 本文(段落/見出し/画像の入れ方)
- カテゴリーの選択
- プレビュー
- 公開 or 予約投稿
見出しを挿入するには、プラスボタン「+」から「見出し」を選択します。
H2が大見出し、H3が小見出しです(※SEO上のルールに合わせています)
Gutenbergが苦手な人向けに「よく使うブロック3つ」などのコラムを差し込むと喜ばれる
ブロックの削除や移動方法もトラブルが多いので画像付きで解説すると◎
画像のアップロードと差し替え方法
最低限書くべきこと
- 「メディア」→「新規追加」方法
- 投稿画面での画像挿入(ドラッグ操作やURL貼り付けなど)
- ファイル名ルール(例:半角英数、日本語・空白NG)
- alt属性の書き方
画像のalt属性には、「○○の商品外観」など画像の説明を書いてください。検索エンジン対策にも効果があります。
「アップロードできません」と言われたら → 容量超過 or ファイル形式を案内
「画像が反映されない」と言われたら → キャッシュクリア手順も記載
固定ページの編集方法と注意点
項目例
- 「会社概要」「アクセス」「お問い合わせ」などの固定ページの場所
- 編集方法(テキスト/画像の差し替え)
- 触ってはいけないブロック(HTML/ショートコード等)
触ってほしくないブロックの書き方例
この「HTMLブロック(灰色背景)」は構造用コードです。変更すると表示が崩れるため、編集しないでください。
カテゴリー・タグの使い方
よくあるクライアントの混乱
- カテゴリーとタグの違いが分からない
- 新しいカテゴリを増やしすぎて構造崩壊
- 日本語タグの表記ゆれ(「イベント」「イベント」「イベント情報」)
書き方例
1記事につき、カテゴリーは1つだけ選びましょう。タグは任意で2〜3個まで。
新しくカテゴリーやタグを作る際は、事前にご相談ください。
公開・予約投稿・下書き保存の使い方
操作手順
- 公開/下書き/予約の違い
- 公開ボタンの位置(見落とされやすい)
- 予約投稿の日時設定方法
- 公開後の表示確認(スマホ含む)
よくある質問に答える
「投稿したのに表示されない」と言われたら →
→「キャッシュ」か「公開前に予約日時になっていない」ことが原因の可能性があります。
トップページやバナーなど「更新不可」部分の説明
書く内容
- 固定コンテンツ/デザイン反映済み部分の編集不可領域
- 編集できそうに見えるけど、実はテンプレート連動してるケース
- 誤編集を防ぐ注意書きや赤枠のスクショ
コツ
ElementorやACFなど導入済みなら「ここは構築者に依頼してください」と明記
トラブル時のQ&A(サポート削減ポイント)
想定できるトラブルとその解決方法を記載しておくのもポイントです。
- 投稿したのに画像が表示されない
- 編集画面が真っ白
- ログインできない
マニュアル上ですべてのトラブルに対応することは不可能です。
ですが、経験からある程度は想定できると思うので、その辺りの解決方法を記載しておきましょう。
マニュアルの保存場所と更新履歴の伝え方
書き方の基本
- マニュアルの保存場所(Google Drive/Dropbox/Notionなど)
- 「最新版であること」を明記し、日付入りで管理
- クライアントが加筆したい場合の連絡方法
サポートの範囲と有料オプションの案内
書いておくと便利なこと:
- サポート期限(例:「納品後30日間は無料」など)
- よくある依頼と費用感(例:「画像差し替え 3,000円〜」)
- 定額保守プラン(月額3,500円など)
まとめ:マニュアルは“信頼”を生む武器
クライアントが「ちゃんと教えてくれた」「自分でできた」と思えるかどうか。
その積み重ねが、**次の仕事にもつながる“信頼の貯金”**になります。
マニュアル制作は手間ですが、一度型を作っておけば、案件ごとに使い回せます。
今後の納品や引き継ぎのためにも、今から少しずつ整えていきましょう。
WordPress更新マニュアルを整えたい方へ
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