
「この人とは何度も仕事してるから、大丈夫」
「急ぎの案件だし、あとで送るって言ってたし…」
そんな信頼ベースで始まる仕事のやりとり、あなたにも覚えがありませんか?
でもその安心感、トラブルが起きた瞬間に一気に崩れ去ることがあります。
口約束だけで進めてしまった案件が、
・報酬未払い
・納品物の仕様トラブル
・音信不通
・「そんな約束してない」と言われる
という事態に発展することも少なくありません。
目次
契約書がないまま仕事をするとどうなる?
実際に起きた「最悪のケース」3選を紹介します!
ケース1|報酬未払いで泣き寝入り
納品したのに「これじゃ使えない」「社内で止まってる」と言われ、
2ヶ月経っても振込がない。契約書がなく、言質も取っておらず…請求の根拠が出せなかった。
ケース2|仕様変更の地獄ループ
「いい感じにお願いします」と言われて始めたデザイン案件。
何度修正しても「もっとイメージに近づけて」と言われ、
結局、修正回数10回以上/無償対応/納期オーバーに。
ケース3|納期トラブルで責任を押しつけられた
打ち合わせで「来週いっぱいで」と言われた納期。
でもメールにも書面にも残っておらず、
後から「約束と違う」と言われて全責任を押しつけられた。
こういった問題は、契約書があれば未然に防げた可能性が高いものばかり。
書面があるかないか、それだけで「守れるもの」がまるで違ってきます。
なぜ契約書を避ける人が多いのか?
- 「時間がないから、とりあえず始めよう」
- 「この人は信用できるから、書類はあとで」
- 「契約書って難しそう/めんどくさい」
フリーランス側も、クライアント側も、
ついこのように曖昧なままスタートしてしまいがちです。
でも一度トラブルが起きると、信頼関係ではなく証拠・記録がすべてになります。
お互いに安心して仕事を進めるためにも、最初に線を引くことが大切です。
最低限おさえておきたい契約書のポイント
「ちゃんとした契約書はハードルが高い」という人でも、
せめて以下の5点だけは、書面 or デジタルで合意を取っておくのが理想です。
契約の基本5項目
- 業務内容(何をするか)
- 報酬金額と支払いタイミング
- 納期と提出方法
- 修正回数や範囲の明記
- キャンセル時の対応・支払い規定
たとえWordやPDFの簡易契約でもOKです。
メールやチャットであっても、はっきりとした合意記録を残すことが、自分を守る手段になります。
契約書がないまま始まってしまったときは?
ときには「すでに始まっちゃった…」ということもあるかもしれません。
そんなときは、以下のように記録を残す形でリスクを軽減できます。
✅ リスク軽減テクニック
- メールやチャットで「こちらの内容で進めますね」と確認文を送る
- 修正回数や納期を、途中でも良いので記録に残す
- トラブル時のやり取りはスクショ or PDF保存
- 報酬の支払いについては早めにタイミングを確認する
何もないより「ちょっと残す」だけで、トラブル時の証拠・自分の防衛線になります。
フリーランスが守るべき「契約の心得」チェックリスト
以下の項目、すべてにYESと答えられますか?
- □ 始まる前に、報酬・納期・業務内容を文章で合意している
- □ 修正回数やキャンセルルールについても記載している
- □ 書面 or デジタルでも、契約内容を保存している
- □ チャットだけで進行しないようにしている
- □ 困ったときに相談できる相手がいる
1つでもNOがあれば、今から見直して損はありません。
注意すべきNG表現|トラブルを招くあいまいな言い回し
NG①:「できる範囲で対応します」
❌ なぜダメ?
対応範囲が不明瞭で、相手の“期待値”が青天井になる可能性があります。
修正・追加作業が際限なく求められるケースに発展しがち。
✅ OKな書き方
「初回提案後、2回まで修正対応します」
「○○までの範囲で対応可能です。それ以降は追加料金にて対応します」
NG②:「納期は目安です」
❌ なぜダメ?
相手によって“目安”の解釈が異なるため、納期遅延トラブルの原因になります。
「いつ終わるの?」「急いでるんだけど」などのプレッシャーにつながることも。
✅ OKな書き方
「納品予定日:6月30日(進捗によって早まる場合があります)」
「○月○日までにご確認いただけた場合、○月○日に納品可能です」
NG③:「一応、こちらで対応しておきますね」
❌ なぜダメ?
奉仕的なニュアンスがあり、今後も“無料でやってくれる”と思われるリスクがあります。
特に追加作業・修正対応に関しては、あいまいな対応が習慣化しがち。
✅ OKな書き方
「今回は特例として無償対応いたしますが、次回以降は別途料金が発生いたします」
「本来は対象外となりますが、今回は1回限りご対応いたします」
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