
「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、Web制作の現場で意外と軽視されがちなのが「成果物の確認方法を事前に決めておく」ことです。
フリーランスや社内担当者として案件に関わる方なら、一度は納品直前に想定外の修正依頼が入り、予定が大幅に狂った経験があるのではないでしょうか?
本記事では、成果物の確認方法をあらかじめ取り決めるべき理由と、具体的な決め方のポイントを解説します。現場で役立つテンプレートや注意点も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
成果物確認のトラブル、なぜ起こる?
成果物の確認にまつわるトラブルは、Web業界では定番です。例えばこんなケースがよくあります。
- 「OK」と言われていたのに、納品後に「やっぱり違った」と修正を求められる
- 複数の担当者から矛盾した指示が来て混乱
- 確認の基準が曖昧で、何度修正しても「もっとこうして欲しい」と言われる
こうした問題の根本原因は、「何を、誰が、どのタイミングで、どの方法で確認するのかが明文化されていない」ことです。
確認の基準がないまま進めてしまうと、発注側と制作者側のイメージにずれが生じるのは当然です。結果、スケジュールが遅延し、工数やコストが膨らんでしまいます。
あらかじめ決めるメリット
では、最初に確認方法を決めておくことで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
1. 認識のズレを防げる
「どの状態をもって完成とするか」が明確になり、主観的な判断を防げます。
2. 手戻りが減る
確認時の基準が明確だと、一度OKが出たものは基本的に戻さず次工程へ進められます。
3. 関係者の負担が減る
関係者の確認フローが整理され、誰に何を見てもらえばいいのか迷わなくなります。
4. 品質向上につながる
チェックリストや基準を設定することで、抜け漏れやミスが減り、品質が安定します。
また、デザインやコーディングデータ管理もルール化しておくと良いでよう!
具体的にどう決めればいい?
では、成果物の確認方法はどのように決めればよいのでしょうか。ポイントを3つにまとめました。
1. 確認基準を定義する
例えばWebサイトの制作なら、以下のような項目を事前に決めておきます。
- デザイン:モックアップと見比べて、見た目は合っているか
- コーディング:HTML/CSSの崩れはないか、レスポンシブ対応はできているか
- 機能:リンクやフォームなど動作確認済みか
2. 確認する人とタイミング
「誰が、どの段階で」確認するのかも重要です。
例えば
- 社内担当者がデザイン案にOKを出してからコーディングへ進む
- 最終的な公開前には必ず上長が確認する
といった具合です。
3. 確認の方法を決める
口頭だけではトラブルの元。基本はメールやチャットで記録が残る形でOK/NGを伝えるのが望ましいです。
ツール(Googleスプレッドシート、Backlog、Redmine など)でチェックリストを共有するとさらにスムーズです。
現場でよく使われる確認フローの例
例:Webサイト新規構築の場合
- 要件定義書の確認
- デザイン案(PC版・スマホ版)の確認
- コーディング中間チェック(主要ページのみ)
- 全体動作確認
- 公開前最終チェック
このようにフェーズごとに分け、各段階でOKをもらいながら進めると安心です。
その他の業務フローも明確化しておくと良いですね!
参考:Webサイトの公開前・公開後にチェックすべき33項目
注意したいポイント
「確認の完了基準」は必ず合意する
「完璧を目指す」よりも、「これがOKなら公開できる」という最低限の基準を決めるのが重要です。
確認期限も決める
担当者が多忙でいつまでも確認されない、というのもよくある話。
「デザイン案は3営業日以内にフィードバックをください」と期限も明記しましょう。
確認の証跡を残す
後で「言った・言わない」にならないよう、確認内容やOKの記録を残しましょう。
成果物確認のテンプレート例
例えば、Googleスプレッドシートで以下のような簡単なフォーマットを作ると便利です。

こうして進捗が見える化されると、双方安心してやり取りできます。
注意したいポイント
「確認後に修正が巻き戻らない」仕組みも決める
せっかく確認・修正した内容が、別の人の作業や古いデータの上書きによって元に戻ってしまうトラブルもよく起こります。
これを防ぐために、成果物確認だけでなく、修正内容の反映方法と管理方法も事前に取り決めておきましょう。
例えば次のような仕組みが有効です。
- 修正内容を必ず履歴管理ツールに記録する
Gitなどのバージョン管理ツールで修正履歴を残し、最新版を明確にする。 - 本番反映のフローを決める
確認済みの最新版を誰が、どの手順で本番に反映するか決めておく。複数人が勝手にアップロードしないよう権限管理を行う。 - 最終版の合意後は「ロック」する
確認OKが出たファイルやページは、最終公開までは基本的に触らないルールを設ける。
このように「確認した修正が巻き戻らない」仕組みまで含めて合意しておくことで、安心して次工程に進められます。
エディッタで保存の度自動的にサーバーにアップされる仕組みで開発する場合、誤って保存した結果サーバーのデータを上書きしてしまうことってよくあります!
まとめ
成果物の確認方法をあらかじめ決めておくことは、Web制作をスムーズに進めるための基本中の基本です。
「まだ決めていない…」という方は、ぜひ次の案件から取り入れてみてください。